弁理士試験とは、弁理士になるための試験です。
試験は、短答式筆記試験・論文式筆記試験・口述試験の3つから構成されます。
短答式を合格しないと論文式に進めず、論文式を合格しないと口述試験に進めません。
3つの試験全てを合格(最終合格)する必要があります。
短答試験
短答式筆記試験は、いわゆるマークシー方式であり、5月の下旬に実施されます。
特許法、実用新案法、意匠法、商標法、条約(パリ条約、特許協力条約など)、著作権法・不正競争防止法から合計60問出題されます。
試験時間は、3時間30分。
合格基準は、65%の得点以上です。
平成27年度試験までは、総得点のみの点数で判断されていましたが、28年度以降の試験からは、各出願範囲でおおむね40%以上を超えなければない出題範囲ごとの合格基準が設けられることとなっています。
短答式筆記試験は一度合格すると、次の論文式筆記試験や口述試験に落ちたとしても、その翌々年までの試験が免除されます(すなわち2回免除)。
免除の方法は、一番最後に書いています。
短答式筆記試験の合格率は、平成24年度 10.7% 平成25年度 10.5% 平成26年度 6.9%。
論文筆記試験
論文式筆記試験は、必須科目と、選択科目があります。
必須科目は7月の上旬に、選択科目は7月の中旬に実施されます。
必須科目は、法律科目で、①特許法、実用新案法(2時間)、②意匠法(1.5時間)、③商標法(1.5時間)の3つです。
必須科目の合格基準は、法律科目ごとに40%以上の点であり、かつ、3科目の合計が60%でなければなりません。3つの法律科目全体で合格が判断されます。
必須科目は一度合格すると、次の口述試験に落ちたとしても、その翌々年までの必須科目の試験が免除されます(すなわち2回免除)。
選択科目は、以下の①~⑥の中から、1つ選択します。
①理工I(工学)
②理工II(数学・物理)
③理工III(化学)
④理工(生物)
⑤理工 (情報)
⑥法律(弁理士の業務に関する法律)
理系、修士号を有する者 、薬剤師、司法書士登録者、行政書士登録者などの資格を有する者は選択科目が免除されます。
選択科目は一度合格すると、その翌年以降の試験が免除されます(期間制限無し)。
論文式筆記試験の合格率は、平成24年度 28.3%、平成25年度23.5%、平成26年度 27.2%。
口述試験
口述試験は、審査官と面接して、口頭で試験をします。10月中旬に実施されます。
試験科目は、①特許法、実用新案法、②意匠法、③商標法の3つで、各10分です。
合格基準は、採点基準をA、B、Cのゾーン方式とし、最低評価であるC評価の科目が2科目以上なければ合格です。
口述試験の合格率は、平成24年度 63.4%、平成25年度81.7%、平成26年度74.6%。
最終合格は11月上旬に発表されます。試験全体の合格率は、平成24年度 10.7%、平成25年度10.5%、平成26年度6.9%。
過去問
過去の弁理士試験の問題は、下記の特許庁のホームページに掲載されていますので、興味のある方はどうぞ。
http://www.jpo.go.jp/oshirase/benrishi/kako/mondai/index.html
弁理士試験の免除の方法
各試験ごとに2回免除などがあったり、その後免除があったりします。
そして、論文式で数年間、合格や不合格を繰り返した場合、短答式は免除されているのかされていないのか複雑になります。
そこで、具体例を書いてみます。
短答式 | 論文式 | 口述 | ||||
必須科目 | 選択科目 | |||||
平成21年 | 受験(合格) | → | 受験(不合格) | 受験(合格) | -(受験不可) | |
この場合、翌年は下記のように受験 | ||||||
平成22年 | 免除 | → | 受験(合格) | 免除 | → | 受験 (不合格) |
この場合、翌年は下記のように受験 | ||||||
平成23年 | 免除 | → | 免除 | 免除 | → | 受験(不合格) |
この場合、翌年は下記のように受験 | ||||||
平成24年 | 受験(合格) | → | 免除 | 免除 | → | 受験(不合格) |
この場合、翌年は下記のように受験 | ||||||
平成25年 | 免除 | → | 受験(合格) | 免除 | → | 受験 |