商品の売り文句として、「国際特許取得」と聞いたことはありませんか?
しかし、国際特許なるものは、存在しません。
存在しないものですから、「国際特許」とは具体的に定義できませんが、
「世界の国々で取得して、これらの国で効力や権利が発生する特許」を意味するとして使用されているケースがあります。
国際出願はあります
似たような言葉として、国際出願(または国際特許出願)というものはあります。
(出願というのがポイントです。)
国際出願は、特許協力条約に基づく出願(PCT出願)というもので、これは実在します。
日本特許庁にPCT出願という形式で書類を提出すると、PCT加盟国すべての国(2015年6月時点で、148カ国超)に出願したものとみなされます。
ただし、特許を取得するには、各PCT加盟国ごとに特許取得の手続きをしていかなくてはいけません。
単に出願しただけではほとんど意味がありません。
国際出願(PCT出願)自体は、海外向けに商品を売る場合には、頻繁に行われています。
見極めよう
「国際特許取得」と記載されている商品は、特許に対する知識が乏しいために記載しているか、
優れた商品であると錯覚させるための売り文句としてわざと虚偽の記載をしている可能性があります。
本当に国際的に特許を取得しているのであれば、例えば、「米国特許取得」、「中国特許取得」というように具体的に国名を記載します。
その商品についている表示が
「国際(特許)出願中」と書いているか → OK、
「○○国特許取得」と書いているか → OK 、
「国際特許取得」と書いているか → NG、
で、注意しましょう。