特許庁の審査を進めて、早く特許にすることができます。
今回は、日本出願の場合を説明します。
国内での審査を早める場合
国内出願の場合は、早期審査制度を利用します。
日本特許庁に、早期審査に関する事情説明書を提出します。
提出すると、通常、第1次の審査結果(拒絶理由通知や特許査定)を受け取るのに、申請してからだいたい2カ月弱(2012年実績では、1.9ヵ月)までに短縮されます。
申請しない場合は、審査請求から、通常、通常1年近くかかります。
3つのタイプ
早期審査制度には、3つのタイプあります。
①通常の早期審査
②スーパー早期審査
③特許審査ハイウェイ(PPH)による早期審査
①通常の早期審査
通常の早期審査には、要件として
- (1)実施関連出願
- (2)外国関連出願
- (3)中小企業、個人、大学、公的研究機関等の出願
- (4)グリーン関連出願
- (5)震災復興支援関連出願
- (6)アジア拠点化推進法関連出願
のいずれかに該当する必要があります。
外国出願をしている場合は(ii)を、そうでない場合は(i)を選択する場合が一般的だと思います。
複数に該当する場合は、どれか1つだけでも複数に該当する場合を記載すればよいです。
いずれにも該当しないけど、早期審査を申請したい場合は、(i)実施関連出願ということにします。
適当に、○年○月に実施予定と記載すればOKです。
たとえ、実際に商品販売などを実施する予定がなくても、特許庁はチェックすることはありませんし、実際に実施しなくても何ら罰則はありません。
通常は早期審査してもらえます。
②スーパー早期審査
スーパー早期審査は、通常の早期審査よりもさらに早く審査をしてもらえます。
ただし、要件は、(i)実施関連出願、かつ、(ii)外国関連出願の両方に該当する場合しかしてもらえません。
申請してから、平均25日(平成22年末時点)で審査結果を受け取ることができます。
審査を一日でも早くしてほしい出願向けです。
③特許審査ハイウェイによる早期審査
特許審査ハイウェイによる早期審査は、外国出願をしている場合に可能です。
日本企業の場合は、通常は、PCT-PPHか、PCT-MOTTAINAI(後述)を利用することになります。
申請の仕方
申請の仕方は、①~③のいずれの場合も、早期審査による事情説明書を提出する必要があります。
①~③によって、各内容を少し変わってきます。
詳しくは、下のサイトをご覧ください。
そのほかの審査を早める制度として、優先審査制度(特許法48条の6)という手段もありますが、実務上ほとんど使われていません。