私たちの生活を豊かにしていただいた偉大な発明家をシリーズで紹介していきます。
まずは、メジャーな日本の10大発明家から始めます。
日本の10大発明家
10大発明家とは、1985年4月18日に、特許庁が選定した、日本を代表する10人の発明家を言います。
豊田佐吉
御木本幸吉
高峰 譲吉
池田 菊苗
鈴木 梅太郎
杉本 京太
本多 光太郎
八木 秀次
丹羽 保次郎
三島 徳七
1人目.豊田佐吉
とよた さきち、1867-1930年
トヨタグループの創始者。
生涯で、特許84件、実用新案35件を取得しました。
代表的な発明に、木製人力織機(特許第1195、1891年))、無停止杼換式(むていしひがえしき)豊田自動織機などがあります。
無停止杼換式豊田自動織機は、世界初の自動織機です。布を織るスピードを全く落とさず、糸を自動的に補充できるのが特徴です。
当時の紡織機分野のトップメーカーであるイギリスのブラット社に当時の100万円(現在の価値に換算すると10億円以上)で技術供与されるほどのものでした。
この資金をもとに、自動車開発の研究を始め、息子の喜一郎氏がトヨタ自動車株式会社を創設しました。
無停止杼換式豊田自動織機
出典:http://www.jsme.or.jp/kikaiisan/data/no_016.html
2人目.御木本 幸吉
出典:http://www.mikimoto-pearl-museum.co.jp/
みきもと こうきち、1858-1954年
株式会社ミキモトの創始者。
真珠王と呼ばれています。
明治26年に、養殖したアコヤ貝の殻の内面に、半円形の養殖真珠を作り出すことに成功しました。
その後、さらに研究を続け、明治41年に、真円の養殖真珠に成功しました。
代表的な発明に、真珠の養殖方法(特許2670号、1896年)があります。
特許2670は、ガラスや貝殻などからなる球状の核を食塩で磨くか、濃い食塩水に浸漬した後、その核を生きている真珠貝(アコヤ貝など)の中に挿入することを特徴としています。
アコヤ貝、出典:http://www.miegyoren.or.jp
3人目.高峰 譲吉
たかみね じょうきち、1854-1922年
出典:http://www.npo-takamine.org/
理化学研究所の設立者の一人。
代表的な発明に、タカジアスターゼ、アドレナリン(特許4785、1901年)があります。
タカジアスターゼは、デンプンを分解する酵素、アミラーゼの一種であるジアスターゼを植物から抽出されたもので、消化薬として使用されています。
アドレナリンは、ウシの副腎から結晶化・単離したもので、止血材や強心剤として使用されています。
↑アドレナリン
4人目.池田 菊苗
出典:http://www.chem-station.com/
いけだ きくなえ、1864-1936年
東京帝国大学(現東京大学)理学部化学科教授。
代表的な発明として、うまみ成分のもととなるグルタミン酸ナトリウムがあります。
だし昆布から、うま味の正体がグルタミン酸塩であることを発見して、グルタミン酸塩の一種であるグルタミン酸ナトリウムを製造することに成功しました。
池田氏から依頼された鈴木三郎氏が、「味の素」という商品名を付けて、製造販売しました。
鈴木氏の会社は、味の素株式会社に発展しました。
↑グルタミン酸ナトリウム
5人目.鈴木 梅太郎
すずき うめたろう、1874-1943年
出典:http://dictionary.goo.ne.jp/jn/
東京帝国大学名誉教授で、理化学研究所の設立者の一人。
代表的な発明として、ビタミンB1(特許20785、1911年)があります。 脚気の病気を治療する成分が、米糠に含まれていることに着目し、米糠からアベリ酸(ビタミンB1)を分離することに成功しました。
また、タラの肝油からビタミンAを分離することにも成功しました。
そのほかに、合成清酒なども発明しています。
ビタミンB1