日本の10大発明家の続き(6~10人目)を紹介します。
6人目.杉本 京太
すぎもと きょうた 1882ー1972年
日本タイプライター株式会社(現、キヤノンセミコンダクターエクィップメント株式会社)の創設者。
和文タイプライター(特許27877号、1915年)を発明しました。
この和文タイプライターは、使用頻度が高い約2400の活字を配列し、前後左右に移動するバーでその活字をつまみ上げて、紙に打つというものです。
小型トーキー映写機も発明しました。
発明のみならず、和文タイピストの養成にも貢献しました。
7人目.本多 光太郎
ほんだ こうたろう 1870-1954年
物理学者、金属工学者、東北大総長。
鉄鋼の父と呼ばれています。
代表的な発明として、KS鋼、新KS鉄鋼があります。
KS鋼は、従来の3倍の磁力を持つ当時世界最強の永久磁石です(特許32234号、1918年)。
その後に発明した新KS鋼は、KS鋼の2倍の磁力を持っています。
KS鋼の成分は、鉄鋼、コバルト 、タングステン、クロムです。
新KS鋼の成分は、鉄鋼、ニッケル、アルミニウム、チタンです。
ちなみに、KS鋼の名前の由来は、研究費を提供した住友吉左衛門氏(住友グループの前身である住友総本店店主)のイニシャルをとっていると言われています。
8人目.八木 秀次
やぎ ひでつぐ 1886ー1976年
八木アンテナ株式会社社長の創始者、東京工業大学学長、大阪帝国大学総長、武蔵工業大学学長、参議院議員。
代表的な発明として、八木アンテナ(正式名称は八木・宇田アンテナ)があります(特許第69115号)。
テレビのアンテナとして、家の上に設置しているを良く見かけるアレです。
八木アンテナは、3本の素子(反射器(リフレクター);輻射器(ラジエーター);導波器(ディレクター)を平行にならべて、電波を効率よく受信したり発信することを特徴とする指向性アンテナとなっています。
9人.丹羽 保次郎
にわ やすじろう、1893-1975年
東京電機大学初代学長。
代表的な発明として、NE式写真電送装置があります(特許第84722号、1929年)。
国産初のファクスです。
当時、ファクスとしては、ドイツのコルン式、フランスのベラン式がありましたが、
画質や電送の安定性、電送速度が悪く、あまり使い物になりませんでした。
丹羽氏は、これらの性能を大幅に向上させて、実用化に大いに貢献しました。
ちなみに、NEとは、Nippon Electricのことを指します。
当初は、有線写真電送でしたが、東京~伊東間での長距離無線の写真電送も成功させています。
NE式写真電送装置で初めて送信した写真が、昭和天皇の御大典の様子です(昭和3年11月6日)。
10人目.三島 徳七
みしま とくひち、1893-1975年。
日本の冶金学者。東京大学名誉教授。
代表的な発明として、MK鋼があります(特許96371号、1932年)。
MK鋼の成分は、鉄、ニッケル、アルミニウムです。
当時最強と言われていたKS鋼の2倍以上の磁力を持っています。
MK鋼は、KS鋼よりも安価であり、形状を変化したり小さくしても強力な磁力を発揮することが特徴です。
MK鋼は、「MishimaーKizumi」(三島氏の姓、三島氏の旧姓:喜住家)に由来していると言われています。