「知財キャラバン(弁理士知財キャラバン事業)」とは、知的財産のプロである弁理士が、
企業に直接出向いて、知的財産(特許、意匠(デザイン)、商標(ブランド)、著作権、ノウハウなど)に関して、戦略面などの総合的なコンサルティングをする制度を言います。
簡単に言いますと、訪問型「知財何でも屋」みたいな感じです。
もちろん、訪問でなくても、企業から弁理士事務所に訪問する形でもかまいません。
日本弁理士会が、平成27年度に知的財産を中小企業に広める目的のために、立ち上げた制度です。
従来の弁理士への相談との違い
1.対象が中小企業。
2.費用が原則無料。
3.知財経営スキルを持った弁理士が担当。
4.弁理士が原則企業に訪問。
5.知財戦略も含めた総合的なコンサルティング。
6.企業の業績アップを目標としたコンサルティング。
対象は、中小企業のみ
中小企業のための制度ですので、対象は、中小企業のみになります。
個人事業主でもOKです。
中小企業の定義(中小企業基本法2条)は以下のとおりです。
・小売業 :資本金5000万円以下で、従業員 50人以下
・サービス業:資本金5000万円以下で、従業員100人以下
・卸売業 :資本金 1億円以下で、従業員100人以下
・製造業など:資本金 3億円以下で、従業員300人以下
費用は、無料!
日本弁理士会が、原則、全額負担してくれます。
具体的には、弁理士に対する報酬、交通費などを負担してくれます。
ただし、企業側で任意に作成する資料に対しては、会社負担になります。
通常の知財キャラバンの作業内であれば、費用に関しては問題ないようです。
コンサルの流れ
知財経営スキルを持った弁理士が最大3回訪問します。
訪問1回目:ヒアリングして、現状分析・課題抽出。
↓
訪問2回目:企業の課題の摺り合わせ。
↓
訪問3回目:弁理士が具体的に戦略を提案。
具体的なコンサル内容
1)企業からの相談内容は、例えば、以下のようなものがあります。、
・特許出願中の自社開発品の販売戦略
・自社製品や自社登録商標の有効活用
・研究開発体制の現状分析と改善点
・自社で展開している重要技術についてオープン・クローズ戦略の相談
・今後の海外への事業展開を視野に入れた業務分析
・自社のブランディングについて相談
2)弁理士は、例えば、以下のような提案をしています。
・現状の販売方針やライバル会社の動向を考慮して、販売方針を見直し、ライバル会社排除のための対応を提案。
・オープン化すべき技術/クローズ化すべき技術の判断基準を決定し、
オープン化すべき技術は権利化の方を、クローズ化すべき技術は秘密管理の方法を提案。
知財キャラバン申請の方法
日本弁理士会ホームページから申請書をダウンロード
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必要事項を記入
↓
申請書を日本弁理士会に提出
その後、日本弁理士会から問い合わせが来ますので、それに対応しますと、
日本弁理士会が弁理士を選定して、弁理士が訪問してくれます。
実績(コンサルタント数)
平成27年度:177件
平成28年度:173件
問い合わせ先
日本弁理士会広報・支援室弁理士知財キャラバン担当
電話 :0120-19-2723
最後に
無料で、専門家である弁理士が、知財戦略を提案してくれますので、興味のある方はぜひどうぞ。
損にはならないと思います。