まず、特許や特許権を取るとは、正確には、発明(技術的なアイデア)に対して、特許という行政処分(国の決定)を受けることを言います。
では、特許を取るとどういったメリットがあるのでしょうか?
発明を一人占めできます
特許権とは、他人に発明を使用させない権利です。
独占排他権とも言われます。
他人が、無断で、自分の発明を使用していた場合は、その使用をストップできます。
発明は、アイデア(技術的な思想)ですので、具体的には、他人がアイデアを勝手に使って、商品を製造販売していたものに対して、その製造販売をストップすることができます。
アイデアを他人がコピーできないので、
他人の後だしコピー商品によって売り上げ減少を阻止することができます。
売り上げが減少したなどの損害が発生した場合、損害賠償も請求できます。
新聞などに謝罪広告を載せるよう請求できます。
他人にライセンス契約して、お金をもらうことができます
他人に特許を使用させない権利の裏返しとして、他人に使用させることもできます。
このときに、対価としてお金を要求することができます。
このお金を、ロイヤリティや特許使用料と言います。
自分に、商品の製造販売の能力がない場合であっても、他人に使用させることによってロイヤリティによって、お金を稼ぐことができます。
ライセンスの仕方は、自由です。
金額の設定や、使用時期、使用場所など、いろいろな条件を付けることができます。
複数の会社(数は無制限)に、大企業・中小企業問わずに使用させることもできます。
このため、発明の内容や売り込み次第では、多くのお金を得ることができます。
主婦が、健康サンダルで○億円稼いだという話もあります。
商品に宣伝することができます
商品に、「特許取得」と書いて、商品のキャッチコピーにできます。
特許は、国の審査があり、その発明が世界初の技術でないと取得できませんので、
「当社独自の製法」「世界初の技術」「他社には真似できない技術」とも宣伝することもできます。
キャッチコピー次第で、売り上げが増える可能性があります。
また、「特許取得」と書けば、他人に発明を使用させないことをほのめかしていますので、他人のコピーをけん制する手段ともなります。
中小企業は、このキャッチコピーを書きたいために、特許を取得する場合もあります。
技術を、財産化できます
発明が特許になると、その特許は、価値評価することができますので、金額に換算することができます。
特許されていない技術やノウハウは、人によってその価値は分かりにくいものですので、自分だけの財産(他人から見たら財産でない)になる可能性があります。
しかし、特許権は財産権として法律的に保護されていますので、価値評価の対象となり、価値評価の仕方も確立されています。
銀行への融資などの際に、特許が取っていない場合は、「当社の技術はすごい。」と言っても銀行員には伝わりません。
特許を取得すれば、客観的な財産に変わりますので、これにより、銀行の融資の評価の一つとなり得ます。トップ画像出典:http://www.kao.com/