少し前のニュースになりますが、先月(2016年6月17日)に特許庁長官が、変わりました。
伊藤仁氏から、小宮 義則氏にバトンタッチしました。
今月の8日に、特許庁のホームページに就任挨拶が載っています。
興味のある方はどうぞ。
特許庁長官とは
特許庁長官は、その名前の通り、特許庁のトップの方です。
ただ、特許庁長官は、1年くらいで変わることが通常です。
長くても2年です。
特許庁長官は、この小宮氏で、1949年の特許庁創立(以前は、特許局)から数えて、なんと52人目です。
特許庁長官には、今まで特許庁に携わったことがない人がなることも多々あります。
したがって、特許庁長官に、腰をすえてじっくり何かを成し遂げる時間も、特許に対する長年の思いや情熱が、少ないのが現状です。
就任の挨拶では、いつもながら、課題に取り組みとかインフラの充実・向上を実施すると書いていますが、
退任する際に、特許庁長官の力によって何かが変わったというのは、残念ながらあまり聞きません。
特許庁長官が変わると
知財業界(特許事務所や企業の知財部)の実務に、大きく変わることがありません。
筆者が思いつくのは、
①特許庁に送付する書面の宛先の特許庁長官名を変更すること、
②送られてくる特許証にサインされている特許庁長官名が変更されていること
くらいです。
小宮特許庁長官は、どんな人か
今回の小宮特許庁長官の経歴を調べてみました。
1961年 生まれ
1984年 東京大学経済学部経済学科卒業
1984年 通商産業省入省
1989年 米国留学(NorthEast Asia-U.S. Forum, Stanford Univ.)
1990年 通商産業省 通商政策局国際経済部国際経済課
1993年 生活産業局繊維製品課
1996年 環境立地局立地政策課総括課長
1997年 基礎産業局総務課総括課長
1998年 外務省出向 在大韓民国日本国大使館一等書記官
2001年 在大韓民国日本国大使館参事官
2001年 経済産業省 経済産業政策局知的財産政策室長
2004年 製造産業局産業機械課長
2005年 経済産業大臣秘書官(事務取扱)
2006年 経済産業政策局産業資金課長
2008年 内閣府官房 内閣参事官
2014年 宇宙審議官
2016年 経済産業省 特許庁長官
経済産業省(旧通産省)がメインのキャリア官僚ですね。
少し時間がたっていますが、3年間くらい、知的財産政策室長の仕事をされています。
ここ何代かの特許庁長官は、特許関連の部署で働いていない方ばかりでしたので、
今回は、特許業界や特許制度をより良くしてもらえるよう期待したいところです。