弁理士は、厳しい勉強を超えて難しい国家資格を取得した方々であり、また、仕事内容もお堅いものなので、真面目な人がほとんどです。
ただ、弁護士にも一定数いるのと同様に、弁理士にも、ごくわずかですが、信じられないようなことをする方もいます。
今回は、そんな、あくどい弁理士の事例を紹介します。
Y弁理士
(1)クライアントから、商標権の更新料等を受領したにもかかわらず、更新料を納付せず、権利を消滅。
(2)更新手続ができない商標権について、更新料等を請求、受領し、その後も返金せず。
(3)特許庁に納付すべき料金を1年以上滞納。
(4)慢性的に予納台帳の残高が不足したまま手続を行い、連絡を取り難い状況を継続させて、特許庁職員による確認業務を追加的に発生。
O弁理士
(1)クライアントから登録料を受領したにもかかわらず、特許庁に納付せず、権利を消滅。
(2)登録査定をクライアントに連絡しなかったため、登録料を納付せず、権利化できず、手続を却下させてしました。
(3)出願料、審査請求料、登録料を受領したにもかかわらず、出願をしなかったり、料金納付を長期間怠った。
(4)クライアントとの間で、連絡が取り難い状態を長期間にわたって継続。
連絡が取れても、クライアントに対して、虚偽の報告。
S弁理士
(1)平成16年から平成22年にかけて行った手続について、
出願等の手数料をクライアントから受領したにもかかわらず、特許庁に納付しなかったため、手続が却下されてしまった。
その結果、クライアントにとって、重大な不利益を及ぼす状況に至らしめた。
(2)600件に及ぶ手続について、手数料を納付すべき時に納付しなかった。
K弁理士
(1)出願料、登録料などを受領したにもかかわらず、
特許庁に対して納付すべき出願料・登録料を納付せず、特許庁に対する応答をしなかったために、
手続を却下させ、権利喪失のおそれを生じさせた。また、特許庁に納付するために預かった金銭を横領。
(2)成功報酬を受領したにもかかわらず必要な業務を完了せず、業務を長期間放置。
(3) 依頼者との間で連絡が取れない状態を長期間にわたって継続。その後も、依頼者との紛争解決に対応せず。
悪徳弁理士への懲戒
これらをみると、クライアントからお金を預かったまま、横領。その後、連絡を絶つというのが多いですね。
これらの弁理士には、もちろん懲戒処分が行われます。
実際には、1年間の業務停止、厳しい場合には、資格抹消(もちろん業務は不可)となります。
ちなみに、このような懲戒処分が行われた例は、今までで、たった8件(2016年8月現在)。
きわめて少ないです。やはりそれだけ弁理士は真面目な方が多いということだと思います。