3月1日に特許庁から、新しいタイプの商標のうち、色彩のみの商標(色彩商標)について
初めて登録を認めるというニュースリリースがされました。
2015年4月から追加された新タイプの5種類の商標(音商標、動き商標、位置商標、ホログラム商標、色彩商標)の中で、
唯一、登録がされていなかった色彩商標が登録されることになりました。
ちなみに、2017年2月20日時点で、これら5種類の出願合計は、1500件ほどで、登録件数は、200件ほどです。
登録予定の色彩商標
今回登録が認められるのは、2件です。
商願2015-29914
出願人:トンボ鉛筆
指定商品:消しゴム
商願2015―30037
出願人:セブン-イレブン・ジャパン
指定商品:身の回り品・飲食料品・酒類・台所用品・清掃用具・洗濯用具・薬剤・医療補助品・化粧品・歯磨き・石鹸類の小売または卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供など
ちなみに、指定される商品の範囲は、かなり厳しいようで、
トンボの方は、出願当初は、「文房具類」でしたが、拒絶理由が通知されて、登録が認められるのは、「消しゴム」です。
セブンイレブンも、身の回り品以外の多くの小売・卸売の希望していましたが、認められたのは、上記の範囲のみです。
現在審査中の商標
そのほか200件くらいが出願され、審査中となっています。
代表的なものを紹介します。
商願2015-29957
出願人:王将フードサービス
商願2015-30414
出願人:三井住友銀行
商願2015-29882
出願人:伊藤園
懸念点
ネットには、
「これ、また商標登録の業者が無数の組み合わせを出すんじゃない?」とか、
「まったく関係ない奴が、使用料目当てに登録しまくるんじゃないの?」
などの声が上がっています。
たしかに、最近PPAPの商標で問題になったように、
一つの会社や一人の人間が商標出願を出して問題になっています。
しかし、この色彩商標については、その問題はありません。
色彩商標の登録
色彩商標の登録は、ハードルが高くなっています。
原則、色彩商標は、自他商品・役務の識別力を有しないものとされます。
したがって、登録には、その色彩商標を継続使用していて、広く認識されている必要があります。
使用していない場合は、登録されることはありません。
実際に調べましたが、その問題となっている会社も、そのことを知っているとみて
色彩商標については一切出願していませんでした。